自己組織化するアプリケーション(7)

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「情報の哲学」としての自己組織化(4)

トラックバックの問題点とは、元のエントリーを引用してもこれに対するトラックバック自体が任意であって、ここで逆リンクが切れてしまうことです。これでは完全な双方向とは言えません。つまり、リンクには、上りと下りがあって、上りが通常のリンク、下りが逆リンクになりますが、上りだけが完全に繋がっていて下りがあちこちで切れている仕掛けでは、「相互価値の共有化」など覚束かないと言うことです。

ではどうすればいいか。

これはBBSと言った掲示板へのコメントの仕掛けがヒントになります。BBSでコメントする場合、元のコメントを指定することで書き込みができますが、この結果、スレッドと呼ばれるコメントツリーが自動的に生成されます。この仕掛けをそのままトラックバックに活かせばいいのです。

具体的には、現在のトラックバック先のURL表示の部分を、「引用」ボタンに変えます。引用ボタンを押すと、引用の為の元エントリがソース表示されます。この中の引用部分を選択することで、自分のBlogのエントリーの下書きが自動生成されるという仕掛けです。併せてトラックバック先も自動で設定されていますので、意図的にトラックバックを外さない限り、本番登録時に自動でトラックバックが実行されます。

実はこの考え方はe-メールのメーラーの作法と同じ考え方です。

メーラーを使って返信ボタンを押すと、自動的に宛先が「Reply-To:」で指定された宛先になります。これを返信ボタンを使用せず返信する、つまり、直接宛先をアドレス帳から指定したらこうはなりません。つまり「返信」ボタンがあるだけで、e-メールの作法をルール化できるというわけです。

インターネットが普及し始めてまだ十年です。いくらでも新しい作法が導入できる段階です。ぜひ実現して欲しいものです。

さて、寄り道が長くなってしまいました。次回から、本来のテーマ「自己組織化するアプリケーション」に戻って議論します。 KAI