「情報の哲学」としての自己組織化(3)
情報の哲学を一言で言うと「情報と言う存在における、存在間の相互価値の共有化」です。共有化であって共通化、同一化ではありません。
情報は思想的には中立の存在ですが、価値は思想の上にあります。思想は、社会の基盤をなし、人々の価値観を支配しまた支援します。ITによる情報現象を、そのまま自然現象のように受け入れるのではなく、相互価値の共有化を実現する方向へと変えていくというのが、これまたITの役割であり、情報哲学と言う「思想」の意味なのです。これはITと言う存在を、科学技術という無色透明の世界で扱っている限り、「意味解釈のロボット化」は避けて通れないと言うことでもあります。
つまり、意味解釈の自己組織化として、ITには「思想」と言う価値が必要であり、この思想に則った世界観に基づくアーキテクチャが求められています。
そして、この相互価値の共有化を、双方向の関係性と言う自己組織化の技術によって具体的に実現します。Blogのトラックバックと言うフィードバックの技術が、不十分ですが、それを実現する技術の萌芽として誕生したのです。
具体的には、Blogのトラックバックを、スレッド化する技術が必要です。丁度梅田さんのBlogのトラックバックの中に、デジモノに埋もれる日々さんのコメント、
伊藤さんは記事の中で、高速道路が敷かれたということがそのまま「コモディティ化」を意味し、コモディティ化された技術だけをトレースしても競争力にならなくなる、だからこそ技術だけではなく、技術以外の柱も併せ持つことが大切だ、RPGでいえば「戦士」ではなく「勇者」になろう、と書かれています。
それを受けた梅田さんの先日のエントリがこちらです。
もはやどこにトラックバックを打って良いのか判らない状態ですが・・・。
ここの最後のコメントの通り、今のトラックバックでは双方向の関係性を正常に記述できないのです。それはなぜか、もう少しトラックバックと言う仕掛けを説明します。以下次回。 KAI