ブラウザ再考(4)

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またまた絶妙のタイミングで、自社OSのデバイス(ドライバ)化を嫌うマイクロソフトの立場を解説した記事が、「マイクロソフトはIEを消滅させるのか」と言うタイトルでCNETに掲載されています。

その昔、DOSと呼ばれるOSがありましたが、このDOSの「D」はDISKの頭文字です。DOSが現れるまではBASICと言う言語が直接DISK(ディスク装置)の入出力を司っていましたが、DOSの登場で入出力はOSと言うレイヤーが分担するようになりました。

インターネットを、ここで言うDISKと見なすと、BASICに相当するのがHTMLと言う言語をインタープリットする、今あるブラウザと言うアナロジーが成り立ちます。このアナロジーから以下のようなことが言えるのではないかと考えています。

すなわち、BASICの中にあったDISKアクセス機能(を含めたOS機能)をDOSと言うOSに分離したように、ブラウザの中にある言語(解釈)機能とインターネットのアクセス機能を含めた実行機能を分離して、あらためてブラウザをインターネットアクセスのための新OSレイヤーと再定義することで、ブラウザの未来形に必要な機能が見えてきます。

具体的には、Webサーバー側にブラウザの実行時処理環境を常駐させ、インターネットを介して受け渡しをする情報は、実行時処理環境の制御情報とそのためのデータに限るとするのです。実はビズブラウザの技術もよく似た仕掛けになるのですが、これを最初からブラウザそのものの機能として実装すればいいのです。同様に、メッセンジャー機能や印刷機能、メール機能、RSS機能等のエンジン部分は、すべて最初から実装します。

こう言った仕様の部分は、W3C等の標準化で実現されていくのではなく、新OSレイヤーとしての機能を持つブラウザが、必ず近いうちにどこかのベンダーから供給され、それがデファクトになって普及していくというシナリオを考えています。 KAI

先に技術的にフラッシュプレイヤーとよく似たと書きましたが、誤解を与える書き方でしたので、上記のように訂正しました。