ネット社会の新たなる胎動−Programmable Environment

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前回のエントリーで新しいことが見えてきました。それは多少大袈裟な表現を使うと、情報通信技術の進展で一人の人間のその人間を取り巻く環境を、自分側の意志で自由自在に操作できる状況が始まろうとしていると言うことです。しかしこれは始まろうとはしていますが、始まってはいません。

映画を含むすべてのビデオ映像、音楽を含む全ての音声コンテンツ、これらがそれぞれ独立したチャネルとしてインターネット経由で24時間、オンデマンドで流せる仕掛けと、これを、自分だけの番組表として視聴できる装置とを組み合わせることによって、自分だけの環境−Programmable Environment(PE)−を作ることが可能になります。

iPodやテレビのDVD(HD)レコーダーのようなダウンロード(録画)+編集型の仕掛けではまだPEとしては不十分です。目標は、チャネル側が用意した番組表(標準のプログラム)を利用してその中から視聴したい番組だけをクリックします。これを視聴するを選ぶと、もうそれは自分だけのテレビ局であり有線放送になります。しかも好きなところで中断も可能で、もちろん再開も可能ですし、繰り返し同じ番組を視聴することもできます。これらの映像、音声とも揮発型ダウンロードですからデジタルコピーの心配は全くありません。必要なら何度でもネットで取りに行けばいいだけです。

それではこのPEと生番組との関係はどうなるのでしょうか。もちろん未来の生番組をクリックはできませんが、過去の番組になった瞬間からいつでもクリックして視聴できます。

この目標は果たして実現できるのでしょうか。デジタルコピーの心配が要りませんので技術的な問題は現時点でもほとんどクリアしていると思っています。むしろ問題は映像にしろ音声にしろ複雑に絡み合った権利関係の問題です。特に地上波のテレビ局ではほとんどの映像をこのような形で再配信することは現時点では不可能です。最初からこういった再配信を前提にした契約で作られた映像のみクリアできることになるでしょう。

逆にこのライセンスの問題を解決するアイデアを持った企業がこのビジネスを成功させることができると言えます。

これをテレビ業界で考えることは現時点ではまず無理でしょうから、例えばレンタルビデオ業界ではどうなるか。すでに私も契約していますがYAHOO BBのBBテレビがあります。まだまだPEにはほど遠いのですが、何千本(将来的に)ある映画をその場で自由に見ることができます。通信環境がもっと良くなれば(電話がかかってくると映像がストップするなど)これがどのように進化していくか非常に楽しみに見ています。

音楽コンテンツでは前回のiPoCast機能付きの車載マシンが有望だと思います。FM放送にしろ長距離ドライブでは使い物になりません。かといって事前にMDを準備して途中で取っ替え引っ替えするのも面倒です。iPoCastなら、音楽コンテンツのデータ量くらい簡単に受信可能ですから、ドライブ中好きな曲を聴き放題です。

さあみなさん事業化しましょう。 KAI