CNETの記事の話題です。
ビッダーズ、通販サイト構築支援サービスの提供を開始によると、ビッダーズは、ビッダーズのショッピングモールのデータベースと自社ショッピングサイト用のデータベースを共用できるようにするサービスを始めるようです。DeNAコマース・エンジンでは、ショップが自社ドメインのウェブサイトでビッダーズの各種機能を利用できる。また、自社ドメインとビッダーズ双方の在庫/受注/出品のデータベースが一元化されるので、「(両サイトを)個別管理する場合に比べ、手間が少ない」(同社)。
現在、コマースサイトを立ち上げようとすると、大きく分けて楽天を初めとした大手ショッピングモールに参加する方法と、自社のドメイン上にECサイトを立ち上げる方法と、いずれかになります。
モールの場合は、ショッピングバスケット機能や商品の登録機能などは、すべて最初からそろっていますので簡単にお店を開くことが出来ます。これに対して自社ドメインの場合は、バスケット機能などをすべて自分で準備する必要があります。ただ、この場合、モールでの出店と違って、様々な制約を受けないでネットショップを構築できるメリットがあります。実際は自社ドメインのショップを開設している企業の多くは、自社で何もかも用意するのではなく、今回のビッダーズのようなサイト立ち上げ用のASPサービスを利用しています。
モールの集客力のメリットと自社サイトの自由度のメリットの両方を狙って、大半の企業が、モール(それも複数)と同時に自社サイトという形で、いくつものショップを運営しています。
この時に問題になるのが、商品の登録を初めとした作業をそれぞれのショップ毎にやる必要があり、大変な手間暇がかかります。これをビッダーズのエンジンで、モールと自社サイトを一元管理できるようにしようとするものです。
しかし、これだけでは、失礼ながら、あまり恩恵もなさそうですが、実はそうでもないのです。
大手モールである楽天は、モール内の店舗から自社サイトへの誘導を一切禁止しています。これは自社サイトの存在そのものを認めないと言う考え方と言っても言い過ぎではないでしょう。これに対してビッダーズは誘導可能な上、データベースも一元化しましょうと来たわけです。
リアルの店舗で考えれば簡単なことですが、デパート(モール)に出店している会社が、別のところに自社店舗を開くなど、当たり前のことです。それが楽天では出来ないというか、認めないのです。
消費者の立場から見ると、これはどうでしょう。
商品だけで選ぶ場合はいいのですが、名前を知らない会社の商品を選ぼうとすると、どうしてもその会社のサイトへ飛びたくなります。これができません。仕方がないので会社名をGoogleにコピーペーストして検索を掛けるしかありません。これでは非常に手間がかかります。
これがビッダーズでは、ホームページへの誘導はもちろん、ホームページへ行った先で同じように買い物ができる。つまり、デパートであるモール自体の機能をASP化させるというサービスととらえることができます。
インターネットは、本当にすばらしい。
ASPのASP化。一体どこまでサービスが進化するか、1日たりとも目が離せません。
このASPサービスのメタ化については次回に論じます。 KAI