昨日のエントリーの補足をしておきます。
IT系の仕事を30年近くやってきて、こういった議論は幾度ともなく繰り返してきました。
その結果、たどり着いた結論は、もちろんイノベーターの独創性は素直に認めるけれど、その時代でなければ創造できない、時代の必然性というものがあるということです。
ミッチーケイパーだって、しっかり開発プロセス自体にはこの新しいパラダイムを受け入れているわけですから、何も発想できないのではないのです。
ミッチーケイパーが開発した123で潤っていたLOTUS社は、1990年頃だったと思いますが、ノーツと呼ばれる製品をリリースしました。そうです、今も多くの大手企業で使われているあのノーツです。LOTUS社は、その後、IBM傘下に入りましたが、逆にこのことで多くの大手企業で採用される結果になったと思います。
そのノーツも、「時代の必然性」の賜物です。
ノーツは、ドキュメントの広域管理の技術です。当時の貧弱な通信環境の中で、多地点にあるドキュメントのレプリカ同士の差分をやり取りして最新のバージョンを広域で管理するためのものです。
え?Webの技術と何が違うの?って思うでしょう。まったく同じです。
それでもノーツは時代の必然性の賜物です。ただ実現手段が違っただけです。P2P的な方法も最終的にはドミノでWeb技術の軍門に下りましたが、当時の貧弱な通信環境という「最適環境」の最適解としてはすばらしいものだったと思います。
■CPU+メモリー+ストレージ+通信
これは最適環境のパラメタです。
この4つのパラメタの性能の違いによってその時代の最適環境が生成され、そこに最適解であるアプリケーションが産まれるという概念です。また時間を見て詳説します。 KAI