DBエンジン開発ストーリー4

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1998年−1999年

1998年1月、約5年を掛けて開発したアプリケーションの製品版を出荷。DBエンジンも最新版を組み込んでいます。

製品版を出荷しても、新たな機能追加と不具合の対策は今まで以上です。この年から翌年にかけてが、アプリケーション、DBエンジンとも開発で一番苦しんだ時期です。

DBエンジンに限っても、ユーザーが増えるに従って様々な環境で使用されるようになり、想定外の現象が色々と発生し、一つ一つ原因を究明して対策していかなければなりませんでした。

私たちが開発した製品は、アプリケーションと言っても企業の基幹の業務に使用するもので、DBエンジンの不具合により業務が停止してしまえば、企業の業績そのものに致命的な影響を及ぼしてしまいます。担当する技術者たちにはこれが無言のプレッシャーとなって、体調を崩すものもいました。

しかし、逆にこのプレッシャーがあったからこそ、これだけの品質、信頼性を要求されるDBエンジンを完成させることができたのだと思います。


50台のロードテスト

それは1999年年明け早々でした。事務所の一室に、50台のマシンが並んでいます。そのマシンの前に座った50人のオペレータがセーノ、ドンで一斉に登録実行ボタンを押します。登録が終わるとその場で手を挙げます。最も早いマシンで2秒、遅いマシンで20秒台。

これは、その年の夏、本稼働を予定しているコールセンター向けのロードテストです。一つの登録の処理を50台が同時に行う確率はきわめて小さいですが、こういった場合でも十分なレスポンスが得られるか、本番前に試験しておく必要があります。

20秒台であればまずまず合格です。

こうしていよいよ、数十台同時運用の本番が始まりました。 KAI